100年の技と心が息づく桐たんす
桐里工房を訪ねると、ちょうど創業100周年を記念するイベントが始まっていました。こちらは1912(明治45)年の創業以来、伝統的技法を守り続けている桐たんす専門製造工房です。お話を伺ったのは三代目代表を務める稗田正弘さん。先代の教えを守り、手作りにこだわり続けて40余年。100年に渡って受け継がれてきた桐たんす職人の心と技について、じっくりと語っていただきました。
家具づくりは昔ながらの手作業で
受け継がれてきた確かな技と真心
「うちのターニングポイントは昭和29年頃。この時、多くの家具メーカーは機械化へと進みましたが、私たちは手作りにこだわりました」。当時、稗田さんは20代。周囲の流れに反して「機械を使うな」という先代の言葉を守り、今でも職人が木工道具を用いて最後まで仕上げる「一人一品製作」という手法を貫いています。
「私たちは真心を込めて家具を作ります。心が込められているからこそ、飽きられることがありません」。
お客様のご希望に沿ってデッサンを起こし、削り・組立・塗り・金具付けまですべて熟練工による手作業です。二代、三代と使い継がれても傷みや狂いはなく、確かな技と心を証明しています。
創業時の「本物にこだわること」「粗悪品を世に送らず」という理念は、今もなお息づいているのです。
和を追求した多彩な家具を開発しています
独自のリフォームと商品開発力
桐材へもゆるぎのない思いが込められています。使用する国産桐・会津桐・米桐は、丸太の仕入れ時から厳選。製材後は約3年間乾燥させ、樹液やアクを抜き取ります。長いものでは家具の素材になるまでに10年以上かかることも。素材へのこだわりは桐の植林活動にも注がれます。
桐たんすの再生・更生も積極的に展開しており、伝統的更生から、サイズ変更の更生、現代風デザインを施した更生、アンティーク仕上げの更生まで4種類の工法を提案しています。
「いつもその時代に光り輝いているのが、本当の“伝統工芸品”。伝統を守りながら新しいデザインを吸収することが大切です。独自のリフォームや桐ベッド、囲炉裏付きのテーブルなど、商品開発力も私たちの強みです」。
稗田さんは修行中の息子・亮さんをはじめ、若手の声に耳を傾けます。「経営や工場に関してもどしどし意見を述べるように言っていますし、facebookの活用も進めています」。
伝統の技と強みを大切にしながら、新しい家具作りへも強い意欲を見せる桐里工房。次の100年へ向け、力強い一歩を踏み出そうとしています。
メッセージ 桐を愛し見つめ続け、いつの間にか100年がたちました。これもひとえに私たちを支えてくださった皆様のおかげです。大きな節目を迎えた今、桐たんすはもちろん現代の生活に合う家具作りにも力を入れています。日本人に一番合う桐材の世界。ぜひショールームで体験してください。
桐里工房
営業時間
営業時間 00:30~17:00
定休日 日・祝
お電話によるお問合せは
TEL 0944-86-3938
FAX 0944-88-2281
メールによるお問合せは info@kirikoubou.com
オフィシャルホームページ http://www.kirikoubou.com
工場のご案内
長崎自動車道東背振I.Cから車で約35分。
九州自動車道八女I.Cから車で約30分。
西鉄柳川駅からタクシーで約15分。
駐車場あり。
※事前にご連絡いただければ、定休日の対応も可能です。平日は工場見学も受付けています。