ひたすら頑固に。ひたすら素直に。
中島製作所のモットーは「頑固に、素直に」。使う人の気持ちになって一つひとつの家具を丁寧に作り上げていくスタイルです。
代表の中島さんに強みを尋ねると「難しく作ること、ですかね」と笑います。はて、家具を難しく作る…？一体どういうことでしょうか。そのヒミツに迫ります。

トランク風に仕上げたキャビネット オーダー家具づくりが得意です
　中島製作所はオーダー家具や別注品など、フレキシブルな家具製造を得意とするメーカーです。その前身はなんと大正末期。家具の街、大川市に隣接する久留米市城島町を拠点に、「暮らしを楽しむ」「家具を楽しむ」をコンセプトとしてさまざまな家具の開発・製造を行ってきました。
　福岡市内を中心に百貨店での催事販売を積極的に展開。また口コミやHPからの問合せも多く、着々とファンを増やしています。中島製作所の家具を購入したお客様が、新築やリフォームを機にオーダー家具を注文するケースが多いとか。最近はオーダー家具の割合が少しずつ増えてきているそうです。
　オーダー家具の場合、注文から納品まで平均で約2ヵ月間。その間、中島さん曰く「くどいくらいに」やりとりが続けられます。色、サイズ、デザイン、機能など、時には建築家と一緒になってプランを練ります。
　お客様のリクエストにどこまでも誠実に、そしてどこまでも追求する姿勢で臨みますが、時にはゼロから作り直したこともあったとか。そんな生真面目さが高いリピーター率にもつながっているようです。

40年近い職人歴を持つ代表の中島豊さん あえて「難しく作る」こと
　家具作りの追求は細部におよびます。例えば、キャビネットの引出し。前板にひと手間もふた手間もかけて、外から虫が侵入できない構造にしています。またリビング用の伸縮テーブルは、軽い力で伸縮できるよう独自の構造で作られています。TVボードの扉は、格子を交差させた美しいデザインに…。
　どの構造もデザインも高い技術力があってこそ。あえてひと手間を加え、独自の構造を考案し、美しく作り上げること。これが、中島さんの言う「難しく作る」ということなのです。
　7年前から息子さんの悦治さんが家業に参加し、中島製作所は新たな歴史を刻み始めました。「キャビネットやチェストなどいわゆる箱物をメインに作ってきましたが、今後は技術力を活かしながらイスやソファにも力を入れたいと思っています」と悦治さん。今後の新作にも注目です。