多様なニーズに応える特注家具作り
病院や福祉施設、飲食店、ホテル、学校などに備え付けられているカウンター、テーブル、キャビネット、書棚…。日常で何気なく見かけている家具ですが、大川にはそうした特殊家具を専門に手掛けるメーカーがあります。特殊家具製造の知識と経験を存分に生かし、一般住宅の新築・改築時の特注家具も手掛けているインテック。一体どんな風に企画・製造を行っているのでしょうか。

完成間近の受付用大型カウンター 企画からアフターまで一貫対応
1974(昭和49)年、レントゲンメーカーに勤務していた先代が開業医の勧めで、病院・開業医を中心とした医療家具のプランニングと製作を行う会社を創業。医療家具のパイオニアとして特殊家具を数多く手掛けた後、1997(平成9)年より特注家具全般へと業務を広げました。
　「建築図面から家具の施工図を起こす作業は、医療家具も特注家具も同じ。当社には建築士やインテリアプランナーとしての専門知識を生かして図面を仕上げる社員がおり、プレゼンから製造・施工まで一貫して行っています」。現在、代表を務める井上和憲さんは創業間もない頃から同社を支えてきた一人。あらゆる条件のニーズに対応できる知識と経験を持っています。
　現在同社では、新築・改築といった一般住宅向けの特注家具から、福祉施設や教育施設など使用頻度の高いハードな条件にも対応できる耐久性に優れた家具作り、さらに店舗などの商品価値を高めるための企画・設計・製作まで、経験豊かなスタッフが総合力を駆使して取り組んでいます。

天然木をたっぷり使用して改装した図書館 「人を原点とし、すべて人から」
同社の理念は「人を原点とし、すべて人から」。一番使いやすいデザインをとことん追求し、努力と挑戦を惜しみません。製造スタッフは現場施工も行い、施工チームの監理をはじめ、検査・引き渡しまで担当。同社が手掛けてきた特注家具は高い評価を得ています。
　例えば天然素材を使って改装を行った地元の図書館。「子どもたちに自然の素材に触れてもらう」というコンセプトで元大学教授で図書館つくり主宰の監修の元、製造と施工を実施。卓越の技術と仕上がりが評価され、地元町長から感謝状が贈られました。
　「我社は10年20年と長く勤めている社員ばかり。お互いの長所も短所も知っていて家族のような雰囲気です。意見が違えば遠慮なしに言い合っていますよ(笑)」と井上さん。言い合うのも妥協のない家具作りに対する思いゆえ。その姿勢があるからこそ、喜びの声が寄せられているのでしょう。